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工房一星
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 団欒メンバーの工房訪問第2弾として、ガラス作家一星さんの工房を訪ねた。

 名鉄瀬戸駅前の通りを、名古屋方面に少し行って南側へ線路を渡るとガラス工房一星がある。
古い2階建ての一軒家で、一階がギャラリーになっている。

 団欒の仲間が集まると子供連れの家族が多い事もあって結構大所帯になるのだが、今回も子供を含めて10人でおしかけた。

 ギャラリーの裏に周ると一星さんの工房があって、一星さんことガラス作家の山田奈緒子さんが作業着姿で迎えてくれた。
 奈緒子さんが自分で作ったという窯にはもう火が入っていてレンガの隙間から溶けたガラスのオレンジ色の光が洩れて見えた。
一人一人手取り足取り教えてもらって皆吹きガラスを体験させてもらった。

 陶器もガラスも窯を使うし、材料も共通のモノもあるので、なんとなく似たもの同士のようなイメージを持っていたのだが、実際にやってみると制作過程のスピード感がまるで違う。

 考えてみれば、陶器は水を含んだ土を扱うのに対して、ガラスは1200度に燃えているガラスを成形するのだ、もたもたしているとたちまちガラスは冷えて固まってしまう。器の形にするには瞬間的な判断が必要だ。
 だからガラス制作の現場はスポーツをやっているように派手でダイナミックだ。以前から遠目でガラスを作っている所を見てカッコイイな、やってみたいなと思っていた。
 
 奈緒子さんはバトンのように溶けて光ったガラスを先に付けた金属のパイプをクルクル回す。そういえば、奈緒子さん自身、普段もなんとなくスポーツ選手のような雰囲気を持っている。

 以前は陶器を作る人達ばかりと付き合っていたので、気づかなかったのだが、他の素材を扱う人たちと知り合うようになって、素材の持つ特徴とそれを扱う作家の性格にどこか一致していると思った。
 例えば木工の木と木がピッタリと組み合わされる計算された正確さは、木工作家のマサチロ夫妻の雰囲気と一致するし、ガラスが成形される過程のスピード感と奈緒子さんのどこか潔い雰囲気は通じるような気がする。
 陶器を作る人たちも、いったん窯に入れてしまうと後は炎しだいというのを受け入れなければならないせいか、許容範囲の広さというか良い意味でのユルさを皆共通して持っているような気がする。

 そういう性格だから、その素材を選んだのか、その素材を扱っているから、そういう性格になったのだろうか?

 ガラス体験の後に、ギャラリーを見せてもらった。
奈緒子さんのガラスの器と、旦那さんでステンドグラス作家の山田祐紀さんの作品も展示してあって温かくてとても良い雰囲気だった。 

 しかし、ガラスのギャラリーの中で子供達が走り回り始めたのでヒヤヒヤしどうしだった。
 
by gadget-pottery | 2010-03-16 23:44 | 日々
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