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黄金町
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 最近のアートの先っぽのほうはどんな風なのか、お勉強のために現代美術の祭典である横浜トリエンナーレに行った。

 展示してある作品は、作家の個人的な心象風景を映像によって描くというモノが多く、それを理解するには作品の背景にある哲学についての知識がなければならないようで、僕にはさっぱりわからなかった。

 確かに僕の勉強不足ではあるけれども、作品の意味がわかるのにかなりの専門知識が必要だとしたら、この横浜トリエンナーレの展示を本当に理解できるのはごく限られた人だけなのではないだろうか?

 アートというのはそういうもので良いのか?と少しモンモンとしながら、夜の横浜の街を歩いて関内駅に向かう。


 神奈川県の大磯には妹の家族が住んでいて、この夜は妹の旦那さんであるルポライターの早坂君が僕に黄金町を案内してくれるというので、関内駅で待ち合わせをしたのだ。

 黄金町とはかつて、いわゆる花街で、「ちょんの間」といわれる売春宿が軒を連ねる、横浜のダークサイドの方を受け持つ街だったのだが、2~3年前から浄化と呼ばれる取締りで「ちょんの間」は建物はそのままでバーやカフェやギャラリーに生まれ変わっている場所だそうだ。

 そのバーの中の一つである「聴き舎」という早坂君が良く行く店に連れて行ってもらった。

 「聴き舎」さんとその周辺のバーには、物書きの早坂君をはじめ、ストリップ劇場の照明さんや、カメラマン、さらに超一流映画監督の美術スタッフの人までが常連として絶えず出入りしていて、普段は陶芸関係の人としか話をしない僕にとってはまったく驚くような話ばかりを耳にし、突然視野が開けるような気持ちがした。


 その中でも特に衝撃的だったのは、「聴き舎」さんの店で見せてもらった一枚のポラロイド写真。

 それは、黄金劇場のストリッパーがお客さんへのサービスで配る、客と舞台衣装を着た自分との2ショット写真なのだが、そのストリッパーは妊婦で、しかもポラロイド写真の端には自分のお腹の中の子供のエコー画像が添付され、さらにご丁寧に胎児のイラストと身長までもがサインペンで描かれている。

 その写真を見た直後はその組み合わせのシュールさにかなり驚いたのだが、よくよく写っているストリッパーの顔のその満面の笑みを見ていると、彼女が大好きな=仕事=お客さん=子供を、何の気負いもなく単純に一枚の写真に収めただけなのがわかる。

 これは、手法としては、先ほど見てチンプンカンプンだった横浜トリエンナーレの作家の個人的な心象風景を映像で表現するというのとまったく同じなのだが、こちらは大いに僕の心に響いた。

 「アートってそういう事だよね。」と、
そのあと大磯の妹の家に帰る電車の中で、早坂君ととシミジミ語り合ったのだった。
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by gadget-pottery | 2008-11-25 22:48 | 日々
作品の勢い
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 このあいだ、陶芸家のおじいさんのハマ削りを見て以来、陶芸に対する気持ちがずいぶん変わった。

 どう変わったかと言うと、今までは作品に勢いがあるように見せようと慎重に作っていたのだが、勢いを出そうと思ったら勢い良く作らなくてはいけないと解ったこと。

 バカみたいにあたりまえのことだ。何故今までやってこなかったのか。

 振り返って考えてみると、たぶん陶芸を始めた頃には、勢いよく作ろうとしていたのだと思う。
しかし、その頃は技術が伴わなくて、勢いよく作ったのでは形にならなかったのだ、だから、やむおえず慎重に形を作って、なおかつ勢いよく見えるように作為的に作ろうとしていた。
 そういう方法のままで今まで来てしまった。

 そしてこの前の陶芸家のおじいさんがやったように、適当な感じで一気にろくろを挽いて、柔らかい土を勢い良く削り落としてみると、意外と形になっていた。

 今までやってこなかったのではなくて、やはり、できるようになるまでに今までかかったということなのだ。

 やり方が変わった事で、少し前より作るのが楽しくなって、少しだけ作るのが速くなった。
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by gadget-pottery | 2008-11-16 21:20 | 陶芸
阿佐ヶ谷
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 東京での個展が出来そうなギャラリーが見つかったので、ギャラリーのオーナーに会いに東京の阿佐ヶ谷という街に行ってきた。

 JR中央線を阿佐ヶ谷駅で降りて南口から出ると、アーケードのある賑やかな商店街があって、
その通りの中ほどの、かまぼこ屋さんを左に曲がって少し歩くと、住宅街の中にギャラリー「context-s」がある。
 古い住宅の1階を古い味を残したまま少し改装した雰囲気のあるギャラリーだ。

 ウッドデッキからギャラリーの中へ入ると、お茶の会の企画が行われていて、5~6人のグループがのんびりとお茶とお菓子の乗ったテーブルを囲んでいた。

 出てきたオーナーはとても愛想の良く話しやすそうな女性だ。
9月に個展のできそうな場所を探して、ギャラリーを巡ったときには、少し冷たい対応をするような所もあったので、ホッとする。

 話をしているうちに、共通の知人がいたり、偶然にも以前に僕の作品を購入してもらっていて今も使っているという事がわかり、とてもうちとけた雰囲気になった。

 話もトントン拍子に進み、来年の11月に1週間個展を開けることになった。

 オーナーは普段は札幌に住んでいて月に1度の企画展のときだけ東京に来るのだそうだ。
個展のときは、僕が鍵を預かって好きに使って良いという、とてものんびりしたシステムで、この阿佐ヶ谷の街ののん気な雰囲気といい、僕にはちょうど良いギャラリーのようだ。

 来年の個展の開催が今から楽しみである。
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by gadget-pottery | 2008-11-07 23:36 | 陶芸